2015年1月21日水曜日

org-mobile-pull/push を自動実行する設定


1.1 はじめに

org-mobile でTODO 管理とかすると,PC からの入力がストレスレスで良いのだけど,なにせ,いちいちコマンド叩いて同期するのが面倒.

というわけで,自動的にorg-mobile-pull とかorg-mobile-push とかするようにしてみた.

まだ,この設定で動かした時間短い(30分ぐらい)ので,どこかおかしなところを見逃してる可能性ある.

だから,あんまり鵜呑みにしないようにお願いします.
(追記: 後述のcapture ファイル監視でのpullは動いてないっぽい... 2015/01/21 09:12)





1.2 やること



  • Emacs が開いている間,アイドル時間が一定時間以上でpull してpush
  • org-mobile-capture-file が変更されたらpull (追記: 下記の設定では動いてないぽい)

    • capture ファイルは,org-mobile で同期取るときに使う差分を保持する一時ファイルだったかな? とにかく,他のデバイスとかで編集するとこのファイルが更新されるっぽい.
  • ファイルをセーブするときにはpush
  • ファイルを開くときにはpull




1.3 参考にしたコード



以下のリンクにあるサンプルコードを参考にした

FAQ · matburt/mobileorg-android Wiki

やってることは


  • org-mobile に登録したファイルを保存すると,その後アイドル時間30秒経過するとpush を実行
  • 24時間に一回の頻度でpush
  • Emacs 起動時にpull
  • org-mobile が更新されたらpull




1.4 やってみる




1.4.1 コード





(defvar org-mobile-sync-timer nil
  "Timer that `org-mobile-sync-timer' used to reschedule itself, or nil.")
;;pullしてpush する関数
(defun org-mobile-sync nil
  (interactive)
  (org-mobile-pull)
  (org-mobile-push))

;;idle 時間が60秒経過すると自動でpullしてpush
(defun org-mobile-set-sync-timer nil
  (interactive)
  (setq org-mobile-sync-timer (run-with-idle-timer 10 60 t 'org-mobile-sync)))  ;;修正 2015/01/21 09:04


;;自動pull, push  を無効にする(一応用意してみたが使うかどうか...)
(defun org-mobile-clear-sync-timer nil
  (interactive)
  (cancel-timer org-mobile-sync-timer))

;;↓要修正  (追記:2015/01/21 09:11)
;;指定されたファイルを指定された時間で監視,更新されたらorg-mobile-pull を実行
(defun install-monitor (file secs)
  (run-with-timer
   0 secs
   (lambda (f p)
     (unless (< p (second (time-since (elt (file-attributes f) 5))))
       (org-mobile-pull)))
   file secs))

;; capture ファイルを5秒ごとに監視,更新されたらorg-mobile-pull 実行
(install-monitor (file-truename
                  (concat
                   (file-name-as-directory org-mobile-directory)
                   org-mobile-capture-file))
                 5)

;; org-mobile に登録したファイルを保存するとpush
(add-hook 'after-save-hook
          (lambda ()
            (when (eq major-mode 'org-mode)
              (dolist (file (org-mobile-files-alist))
                (if (string= (file-truename (expand-file-name (car file)))
                             (file-truename (buffer-file-name)))
                    (org-mobile-push)))
              )))

;; org-mobile に登録したファイルを開くとpull
(add-hook 'find-file-hook
          (lambda ()
            (when (eq major-mode 'org-mode)
              (dolist (file (org-mobile-files-alist))
                (if (string= (file-truename (expand-file-name (car file)))
                             (file-truename (buffer-file-name)))
                    (org-mobile-pull)))
              )))
(org-mobile-set-sync-timer)  ;; ←追記 2015/01/21 09:00


  • ファイルをセーブするときpushするコードは,元のコードから遅延を省いただけ.
  • capture ファイル変更でpull するコードは元コードそのまま






1.5 おわりに



とりあえず,これでしばらく使ってみる.

もしかしたら何か問題あるかも知れない.

問題が見つかって,気が向いたらこの記事直します.(無責任)






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2015年1月19日月曜日

Emacs Lisp を少し勉強した


1 Emacs Lisp を少し勉強した   gblog



Emacs Lisp のコードを読むときに知らなくて困った(多分)基本的な所をメモ.

困ったときに調べたものだけメモしているので,網羅はしてない.




1.1 コンスセル



「CARスロットおよびCDRスロットと呼ばれる 2つのポインタから成るオブジェクトです。」らしい.

「各スロットは、任意のLispオブジェクトを指すことができます。」

ドット記法とかで表現する.

(A . B) と書くと,A がCARスロット,B がCDR スロット



参考ページ:

GNU Emacs Lispリファレンスマニュアル: Cons Cell Type







1.2 cons obj1 obj2



obj1 とobj2 から成るコンスセルを作る関数.

(cons 1 2) => (1 . 2)





1.3 リスト



リストはコンスセルの入れ子構造.

(1 2 3) と表示する.

この実態は,CARスロットが1, CDR スロットが(2 3) のコンスセル.

2と3 が要素のリスト(2 3) の実態は CARスロットが2, CDR スロットが(3) のコンスセル

3だけが要素のリスト(3) の実態は CAR スロットが3, CDR スロットが空リストの()

ドット表記だと(1 . (2 . (3 . ())

(cons 1 (2 3)) => (1 2 3)

(cons 1 ()) => (1)

また,空リスト() はnil とも書く

つまり,

(cons 1 nil) => (1)





1.4 関数car, cdr



コンスセルのCAR スロットを取り出すのがcar 関数,CDR スロットを取り出すのがcdr 関数.

リストに適用すると,以下のような感じ.

(car '(0 1 2)) => 0

(cdr '(0 1 2)) => (1 2)





1.5 シングルクォートは何?



car やcdr の例では'(0 1 2) とリストの前に「'」がついている.

これは,リストを評価しないようにするためのものらしい.

リストを評価するとは,リストのCAR スロット(第一要素)を関数名,第二引数以降を関数の引数として,計算するということ.

Lisp は(0 1 2) とだけ書いて実行すると,0 を関数名,1 を第一引数,2 を第二引数として計算しようとするらしい.

これをせずに,リストとしてそのまま置いておくために,シングルクォートをつける.

関数名や変数名の前に「'」をつけるのも同じ理由のようである.



参考ページ:

Programming in Emacs Lisp: List Processing



また,別の説明で,おそらくより厳密な説明が以下のリンクにある.

Emacs Lisp

これをちゃんと理解するためには,シンボルというものを理解しないといけないらしい.

また,シンボルなるものの構造については以下のリンクが詳しいと思う.

GNU Emacs Lispリファレンスマニュアル: シンボル

このあたりの理解は今後の課題.





1.6 let



ローカル変数を定義して,最後のリストを評価する.



(let (ローカル変数の定義のリスト) フォーム1 … フォームn)



ローカル変数の定義のリストは以下の構文

((ローカル変数名1 初期値1) ローカル変数名2 … (ローカル変数名n 初期値n))

(ローカル変数名1 初期値1) と言うリストは,ローカル変数名1 が初期値1 で初期化することを示す.

一方,ローカル変数2 とだけ書いていると,ローカル変数2 はnil で初期化する.



フォームとは,Emacs Lisp のコードと思えばいいのかな?

let 全体の戻り値は,最後のフォーム(フォームn) の戻り値になる.



例:

(let ((x 3)) x) => 3

(let ((x 3) (y 2)) x y) => 2 ;; 最後のフォームがlet の戻り値になる

(let ((x 3) (y 2)) (+ x y)) => 5

(let ((x 3) y (z 4)) (list x y z)) => (3 nil 4) ;; (list x y z) はx y z を要素とするリストを返す






1.7 スペシャルフォーム(special form) とマクロ



普通,リストの形式で書いて実行すると,全てのリストが評価される.

しかし,例外があるらしく,それがspecial form というらしい.

先のlet はその一つ.

(let ((x 3) (y 2)) (+ x y)) の(x 3) はリストだが,これを関数として評価していない(したらx なんて関数はないとエラーが出るはず)

一方,一番後ろの(+ x y) は評価されている.

このように,let の引数に関しては,一番後ろしか評価しない,ということになっているようである.

他にも,値を変数に代入するsetq などがそうらしい.



また,スペシャルフォームという言葉を調べていると,マクロという言葉もよく見かける.

マクロは,ユーザー定義のスペシャルフォームらしい.

参考ページ:

スペシャルフォームとマクロ - by shigemk2






1.8 dolist



実は,このブログの内容は,dolist のサンプルコードがわからなくて調べだしたのがきっかけ.

つまり,今回のブログはここがゴール.



dolist もlet のようにスペシャルフォーム.

構文は以下.

(dolist (ローカル変数 リスト [戻り値]) フォーム1 … フォームn)



リストの要素を一つずつローカル変数に代入してフォーム1 からフォームn の処理を繰り返す

python とかでいうforeach 的なやつ.

戻り値を設定しないと,dolist の戻り値はnil になる.

また,戻り値に未定義の変数は使えないので,予め定義する必要がある.

例:

(let ((sum 0)) ;; 戻り値に使う変数を定義

(dolist (x '(1 2 3) sum)

(setq sum (+ x sum)))) => 6






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